クラウドメールとは?メリット・デメリットやおすすめサービスを解説
クラウドメールとは「パソコンやスマホからWebブラウザに接続するだけで利用できるメールサービス」のことです。
従来は、メール送受信のためのハードウェア・ソフトウェア・データを自社で構築し、管理する必要がありました。
しかし今では、クラウドメールを導入すれば、運用・管理が不要になり、業務効率化に加え、コスト削減、災害対策、テレワークの実現などが可能です。
実際、政府は2018年6月に「クラウド・バイ・デフォルト原則(クラウドサービスの利用を第一候補として検討すること)」を掲げ、クラウドメール導入を進めています。
本記事では、クラウドメールの概要やメリット・デメリットを解説し、法人向けのクラウドメールサービスを紹介します。
クラウドメールとは?Webメールの仕組みについて
クラウドメールとは「パソコンやスマートフォンからWebブラウザに接続するだけでメールの送受信ができるメール」のことです。Webメールとも呼ばれます。
クラウドメールを使用した場合のメール送受信の仕組みは以下の通りです。
- 送信者はPCやスマートフォンのWebブラウザからクラウドメールへログイン
- Webブラウザ上でメール作成・送信
- クラウドメールから受信者サーバへメールを送信
- 受信者はWebブラウザからメールを確認
従来のメールシステムの仕組みと異なる点は、「パソコンから直接メールサーバ(SMTP・POP・IMAP)に接続しないこと」です。
他にも、従来のメールシステムと異なる点が多々あります。
クラウドメールと昔からあるメールとの違い
メールには、主に以下3つのシステムがあります。
- クラウド型:Webブラウザ上で送受信できるメールシステム
- オンプレミス型:従来の、昔から利用されているメールシステム
- レンタルサーバ型:ISPなどのレンタルサーバ企業が構築したメールシステムを借りる
クラウドメールは2000年代初頭から普及し始めたクラウドサービスです。
3つのシステムには、単純な「新旧」という違いだけでなく5つの違いがあります。
- メールデータの保管場所
- メールソフトの有無
- セキュリティ
- 管理者
- 費用
それぞれ解説します。
メールデータの保管場所
クラウドメール、レンタルサーバ型メールは外部サーバに、オンプレミス型メールは自社サーバにメールが保管されます。
言い換えると、クラウドメールはWebメールサーバに接続できれば、パソコン・スマホ・タブレットなど、どの端末でもメールデータにアクセス可能だということです。
対して、オンプレミス型は自社サーバにアクセスできる端末に予め接続設定を行わなければ、メールデータにアクセスできません。
同様にレンタルサーバ型もレンタルサーバにアクセスできる端末に予め接続設定を行う必要になります。
また、オンプレミス型の場合、メールの保管用のサーバを自社で用意し、更にそのサーバを設置するスペースを用意する必要があります。
クラウドメールやレンタルサーバ型は外部サーバを使用するので、自社でメールデータを保管するためのサーバ構築が不要です。
メールソフトの有無
クラウドメールは専用メールソフトが不要で、レンタルサーバ型やオンプレミス型メールは専用のソフトウェアが必要です。
クラウドメールは、Webブラウザからアクセスできるため、インターネット環境と端末のみでメールサービスが使用できます。
対して、レンタルサーバ型やオンプレミス型は専用のソフトウェアをインストールしなければ、メールの送受信ができません。
つまり、端末ごとに専用ソフトのインストールが必要だということです。
そのため、新しい端末でメールを使用する際には、初期設定のひと手間が必要になります。
セキュリティ
クラウドメールやレンタルサーバ型と、オンプレミス型のセキュリティの違いは、「自社でセキュリティ対策するかどうか」と「メールのセキュリティ対策に詳しい社員が必要かどうか」です。
クラウドメールやレンタルサーバ型はベンダーがセキュリティ対策を行うため、自社では何もする必要がなく、セキュリティリテラシーの高い人材も必要ありません。
対して、オンプレミス型のメールシステムは、自社でセキュリティ対策を実施する必要があります。
そのため、セキュリティに詳しい社員が社内にいない場合は、外注や採用をしなければなりません。
管理者
クラウドメールやレンタルサーバ型と、オンプレミス型メールでは、管理者の必要性や負担の程度が異なります。
クラウドメールやレンタルサーバ型は、外部のメールサービスを利用するため、ベンダーが運用・管理を行ってくれます。
そのため、自社で専任の管理者を配置する必要がなく、メールストレージやユーザー数の追加などの際、ベンダーに連絡をする程度です。
対して、オンプレミス型メールは、メールシステムの運用・管理を自社で行う必要があるため、専任の管理者を設ける必要があります。
管理者の仕事は、自社サーバのメンテナンスやシステムのカスタマイズ、災害・停電時の対応などです。
費用
クラウド型・レンタルサーバ型 | オンプレミス型 | |
初期コスト | 安い | 高い |
運用コスト | ユーザー数によって変動 | 固定 |
クラウドメールやレンタルサーバ型は、オンプレミス型メールと比べて、初期費用が抑えられます。自社でサーバを構築する必要がなく、高額な導入コストがかからないからです。
また、クラウドメールやレンタルサーバ型の月額費用はユーザー数によって変わりますが、オンプレミス型メールの運用コストはほぼ固定です。但し、サーバの運用費用としてサーバの保守費用や電気料金などが発生し、機器の減価償却なども考慮しなければなりません。
また、クラウドメールやレンタルサーバ型はオンプレミス型メールと異なり、サーバ管理者を設ける必要がないため、人材面での運用コストが低くなります。
法人向けクラウドメールの選び方を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
こちらもご覧ください
クラウドメールを導入するメリット
クラウドメールを導入するメリットは以下の4つです。
- ネットにつながればどこからでも接続できる
- 運用や管理が簡単にできる
- メールの保存容量が多い
- セキュリティ対策
総務省の「令和3年版 情報通信白書」によると、2020年にクラウドサービスを利用している企業の内、クラウドメールを使用している割合は50.3%です。
クラウドサービスの効果についてポジティブに回答したのは87.1%と、ほとんどの企業が導入による効果を実感していることがわかります。
「クラウドメールの導入が企業にもたらすメリット」について詳しく解説します。
ネットにつながればどこからでも接続できる
クラウドメールは、インターネットにつながれば場所を問わずにメールの送受信や閲覧ができます。
オンプレミス型メールと異なり、自社サーバを経由する必要がなく、Webメールサーバにアクセスできれば問題ないからです。
また、専用メールソフトも不要なので、Webブラウザに接続できるパソコンやスマホがあれば、メールの送受信ができます。
例えば、出張中にパソコンやタブレットが壊れ、スマホでしかメールのやり取りができないときでも、クラウドメールであれば簡単に利用できます。
また、テレワークを導入するとなった場合、自宅でも問題なく使用できる点も魅力の1つです。
運用や管理が簡単にできる
クラウドメールは外部メールサーバを使用するため、運用・管理の手間がかかりません。
サーバの運用・管理はベンダーが行います。
そのため、システムの不具合対応やサーバのメンテナンス、機能のアップデートなどリソースが割かれる業務を行う必要がありません。
さらに、地震や火災などの災害や停電などの緊急事態でも、自社にサーバがないため安心して利用し続けられ、復旧作業のコストもかかりません。
もし、企業規模が拡大し、メールユーザー数が急に増える場合でも、ベンダーに問い合わせるだけで解決します。
このように、クラウドメールは運用・管理が簡単で、コストがかからないことがメリットです。
メールの保存容量が多い
クラウドメールは、メールの保存容量を気にする必要がほとんどないため、ストレスなく使用できます。
ベンダーが管理する大規模なサーバにメールデータが保管されるからです。
具体的には、クラウドメールでは無料サービスでも数GB、有料や法人向けのサービスだと数十GB~無制限の容量が与えられます。
メールの保存容量が多いということは、頻繁にメールを削除する必要がなく、大容量の添付ファイルでも気兼ねなく送付できるということです。
さらに、クラウドメールでは保存容量が足りなくなっても、ベンダーへ申し込むだけで簡単に追加できます。
サーバ増設やハードディスク追加の費用や手間がかかるオンプレミス型と比べ、気軽にデータ増量できるのです。
セキュリティ対策
クラウドメールは元々セキュリティ対策がされているため、安全に利用できます。
なぜなら、サービスを提供するベンダーは、ISMSやISMS-CLSなどのクラウドセキュリティ認証を取得し、企業が安心して利用できるように努めているからです。
特に法人向けのクラウドメールであれば、セキュリティ対策が一式で提供されます。
代表的なセキュリティ対策には以下の6つがあり、オプションでセキュリティをさらに強化できます。
- 迷惑メール対策
- ウイルス対策
- 添付ファイルの暗号化
- 誤送信防止
- 情報漏洩対策
- 添付ファイルのリンク化
クラウドメールのデメリット
クラウドメールのデメリットは以下の2つです。
- 事業規模によってランニングコストが変動
- ベンダーのサービス提供終了
クラウドメールは、自社でシステムを管理する必要がない反面、ベンダーへの依存度が高いというのが現実です。
デメリットを許容できずにクラウドメールを導入してしまうと、結局サービスを使わなくなることにもなりますので、注意してください。
クラウドメールの導入前にデメリットを知っておけば、最善のクラウドメールサービスを選ぶ材料にもなります。
クラウドメールの導入を後悔しないために、2つのデメリットを丁寧にお伝えします。
それぞれ対応策も紹介していますので、参考にしてみてください。
事業規模によってランニングコストが変動
初期コストを抑えられるクラウドメールですが、企業規模によってはランニングコストが割高になるというデメリットがあります。
理由は、ユーザー数で変動する従量課金制を採用するメールサービスが多いからです。
例えば、100人、500人、1,000人のユーザー数ごとに料金を分けているクラウドメールの場合、200人の企業であれば、500人の月額料金を支払う必要があります。
ランニングコストを抑える方法は、10アカウントごとなど細かく料金を追加する料金体系のクラウドメールサービスを利用することです。
企業の将来を考えれば、ユーザー数が増えることも想定する必要があります。
細かく料金設定を分けているサービスを選べば、最低限の費用で運用できます。
ベンダーのサービス提供終了
クラウドメールは、ベンダーがサービス提供を終了すれば、メールの送受信ができなくなるだけでなく、これまでのメールが削除されてしまいます。
ベンダーのサーバに依存しているため、理由はどうであれ、ベンダーがサービスを継続できなくなればそれまでです。
もちろん、急にサービスが終了してしまうことはほとんどありません。
サービス終了予定の連絡が来たときに、メールデータを移行しましょう。
オンプレミス型メールに関しても、地震などの自然災害にまで完全に対応することは不可能です。
クラウド型・オンプレミス型どちらにしても、定期的にメールデータのバックアップをとっておくことが求められます。
業務の効率化にはクラウドメール導入がおすすめ
ネットがあれば、どこでもいつでもどのような端末でも使用できるクラウドメール。
導入すれば、業務効率化だけでなく、コスト削減、テレワークの導入、万全なセキュリティ対策など様々な効果が得られます。
自社サーバの構築・運用・管理の必要がない上に、セキュリティ対策もまとめて提供してくれるため、「ヒト・モノ・カネ」の無駄な資源を使う必要がありません。
もし企業がクラウドメールを利用するなら、「法人向け」のサービスがおすすめです。
理由は、メールの保存容量の多さや企業独自のドメイン(@〇〇.comや@〇〇.co.jp)を選択可能なこと、セキュリティ対策が万全なことなどがあります。
中でも、セキュリティ対策は重要で、個人向けのサービスではカバーし切れない部分です。費用はかかりますが、メールが原因で社会的信頼を失うこともありますので、セキュリティにはこだわってクラウドメールを選ぶことをおすすめします。
企業の方がクラウドメールを導入する意義について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
こちらもご覧ください
法人向けクラウドメールサービスならCWJ
法人向けクラウドメールサービスの一押しは、サイバーウェイブジャパン(CWJ)の「CWJ Secure One(セキュア ワン)」です。
CWJ Secure Oneは、法人向けに最適化されたクラウドメールサービスで、企業のメール運用に必要な以下の機能を一式で提供します。
- Webメール
- 迷惑メール対策
- ウイルス対策
- 誤送信対策
- メール保管
オプションでは、PPAP対策となる「Mail File Link」(メールファイルリンク)や電子帳簿保存法に対応できる「Mail Archive」(メールアーカイブ)を追加可能。
オプションサービス「Mail Archive」のご紹介
オプションサービス「Mail File Link」のご紹介
CWJは以下の3点を始め、安心・安全に利用できる環境を整備しております。
- ISMS、ISMS-CLSなどセキュリティ認証の取得
- 24時間365日体制での監視・対応を20年以上継続
- 上場企業や自治体、教育機関、中小企業などでの導入実績
メールシステム・セキュリティに課題がある企業や業務を効率化したい企業の方は、CWJまでお気軽にお問い合わせください。
記事のポイント
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1:クラウドメールって簡単に言うとどんなメール?
クラウドメールは「Webメール」とも呼ばれ、「Webブラウザへの接続だけで利用できるメールサービス」のことです。
専用メールソフトのインストールが不要のため、インターネットと端末があれば、いつでもどこでもメールの送受信や閲覧ができます。
また、ベンダーのサーバを用いるため、自社でサーバや管理者を設置する必要がないことが特徴です。
詳しくは「クラウドメールとは?Webメールの仕組みについて」をご覧ください。 -
2:クラウドメールのメリットは何?
クラウドメールを導入するメリットは以下の通りです。
- ネットにつながればどこからでも接続できる
- 運用や管理が簡単にできる
- メールの保存容量が多い
- セキュリティ対策
詳しくは「クラウドメールを導入するメリット」をご覧ください。
クラウドメール導入をご検討の方はサイバーウェイブジャパン(CWJ)までお問い合わせください。
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3:クラウドメールのデメリットは何?
クラウドメールを導入するデメリットは以下の通りです。
- 事業規模によってランニングコストが変動
- ベンダーのサービス提供終了
良くも悪くもベンダーに依存することがデメリットですが、事前に注意点を押さえておくことで無駄なコストをかけずに済みます。
詳しくは「クラウドメールのデメリット」をご覧ください。
それぞれのデメリットへの対応策も紹介していますので、参考にしてみてください。
インターネットデータセンターの運用から、クラウドサービスの提供まで行う株式会社サイバーウェイブジャパン(CWJ)のWeb担当者。
クラウドメールやデータ運用に関する弊社の知識を生かし、皆様のお役に立つ情報を発信しております。
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