従業員が退職したらGoogle Workspaceのデータを保存!タイミングや保存方法も掲載

業務でGoogleアカウントを使用している場合、メールやスプレッドシード、ドキュメントなどが使える「Google Workspace(GWS:グーグルワークスペース)」も使用していることかと思います。
退職者のアカウントを削除してしまうと、「Google Workspace」のデータも消えてしまうため、データを保存しなければなりません。
企業において従業員の退職は避けられない事象です。適切にデータを保存・管理しないと、業務の引き継ぎが滞るだけでなく、重要な情報を失うリスクもあります。
この記事では、退職者が所持するデータの理想的なバックアップのタイミングやフロー、「Google Workspace」のデータの保存法(アーカイブ)についてわかりやすくご紹介します。
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退職者がでたらGoogle Workspaceのデータを保存する理由

退職者のGoogle Workspace(GWS)には、以下のようなデータが残されている可能性があります。
- Gmail: 業務連絡や取引先とのやり取り
- Google Drive: 文書、スプレッドシート、プレゼン資料、画像、動画ファイル
- Google カレンダー: 会議の予定やプロジェクトのスケジュール
- Google Chat: 社内コミュニケーションの履歴
- Google Keep: メモやタスク管理情報
- Google Meet: 過去の会議記録(録画データ)
特に、メールや録画に関するデータ、顧客情報や社内機密が含まれるデータは重要です。業務の引継ぎでデータを探したいときや、監査が必要になったときに、データを呼び出すことができなくなります。
また、取引に関するデータは最長10年保存しなければならないため、退職者の業務内容によってはデータのバックアップは必須です。
退職者が出た際は、Googleアカウントを削除する前に、Google Workspaceのデータを必ず保存しましょう。
データを保存しなかった場合に想定されるトラブル

Google Workspace(GWS)のデータを適切に保存(アーカイブ)しないと、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 重要なメールやファイルが消失する
- 後任者へのスムーズな引き継ぎができない
- 法務や監査対応で必要なデータが不足する
理想的なデータ保存のタイミング

退職者のデータを適切に保存するには、適切なタイミングでのアーカイブが重要です。事前に退職日がわかっている場合、退職者の最終勤務日より前に、必要なデータの保存・移行を完了させることが望ましいです。
データ保存の適切なタイミング
- 退職1カ月前 : 退職予定者とデータの整理・移行について話し合う
- 退職2週間前 : Google TakeoutやDriveのデータ移行を実施
- 退職直前 : 管理者によるデータバックアップを実施
- 退職後20日以内 : Google管理コンソールからのアカウント復元が可能な期間
これらのタイミングを考慮することで、データ消失リスクを最小限に抑え、スムーズな業務の引継ぎを実現できます。
Google Workspaceのデータを保存(アーカイブ)する方法

アーカイブとは
アーカイブとは、重要なデータを削除せずに長期間保存することを指します。特に、業務データの保持やコンプライアンス対応のために活用されます。
Google Workspaceのデータを安全にアーカイブすることで、退職者の情報を消さずに管理できます。GWSのデータを保存する方法はいくつかあります。ここでは、Googleが提供している代表的な3つの方法を紹介します。
1.Google Takeoutを使用する
Google Takeoutは、Googleアカウントのデータをエクスポートする公式ツールです。退職する従業員のアカウントでログインし、以下の手順でデータをダウンロードできます。
- Google Takeout(外部サイト)にアクセスする
- エクスポートしたいデータ(Gmail、Google Driveなど)を選択する
- 出力形式(.zip や .tgz)を指定する
- エクスポートを開始し、完了後にダウンロードする
Takeoutは無料で利用できますが、管理者が従業員のデータを直接取得することはできません。従業員が自発的に実施する必要があります。
2.Google Vaultを活用する
Google Vaultは、Google Workspaceの有料エディションで利用できるアーカイブツールです。企業の管理者が従業員のGmailやドライブのデータを保持・検索・エクスポートできます。
Google Vaultを利用するメリット
- Google Takeout(外部サイト)にアクセスする
- 退職後もデータを保持できる
- 必要なデータのみ検索してエクスポート可能
- 監査やコンプライアンス対応にも有効
Vaultを利用するには、あらかじめアカウントのデータ保持ポリシーを設定しておく必要があります。Google WorkspaceのBusiness PlusまたはEnterpriseプランの契約が必要です。
参考:Google Vault について – Google Vault ヘルプ(外部サイト)
3. 管理者によるデータ移行(Google管理コンソール)
Google Workspaceの管理者は、退職者のデータを他のアカウントに移行できます。主な方法は以下の通りです。
1.メールの転送設定
- Gmailの設定で、特定のメールアドレスに自動転送する
2.Google Driveのオーナー変更
- 管理者は、Google Driveのファイル所有権を他のアカウントに移行可能
3.Googleアカウントの一時停止・削除
- 退職後すぐにアカウントを削除するとデータも失われるため、一定期間保持してから削除する
4.外部のクラウドストレージや社内サーバへデータをバックアップする
企業の危機管理を行う上では、データのバックアップは複数取っておくほうがより安全性が高まります。有料の大容量のクラウドストレージや、社内サーバなどにもデータをバックアップしておきましょう。
これらの方法を組み合わせることで、退職後も必要なデータを安全に管理できます。
保存前にGoogleアカウントを消してしまった場合の対処法

Google Workspaceのアカウントを削除すると、復元できる期間が限られていますが復元可能です。
通常、削除後20日以内であれば、Google管理コンソールからアカウントを復元できます。それを過ぎると、データの完全な復元は困難になるため、削除前に慎重な確認が必要です。
もし誤って退職者のGoogleアカウントを削除してしまった場合、以下の対応を試みてください。
Google管理コンソールから復元
アカウント削除後20日以内であれば、Google管理コンソールの「ディレクトリ」→「ユーザー」からデータの復元が可能です。
Google Vaultでデータを取得
退職前からGoogle Vaultを使用している場合は、削除されたアカウントのデータが保持されている可能性があるため、検索・エクスポートを試してみましょう。
バックアップデータの活用
外部のクラウドストレージや社内サーバなどを活用し、定期的なバックアップを実施している場合は、別のアカウントへデータを移行することも有効です。
「毎月○日にバックアップを取る」など、スケジュールを立てておくと保存しやすくなります。
また、バックアップを取る際は、管理者が取り出しやすいシステムを選定することがポイントです。
退職時のデータ管理をスムーズにするには

退職時のデータ保存を円滑に進めるために、あらかじめ社内で退職時のフローを決めておきましょう。
業務の引き継ぎがスムーズになり、データ消失のリスクを最小限に抑えることができます。
また、退職後の法務対応や監査の際にも、必要な情報を迅速に取得できるようになることもメリットです。
日頃から、以下の対策を講じることをおすすめします。
1.定期的なデータバックアップ
GWSのデータはクラウド上に保存されていますが、万が一のために定期的なバックアップを取ることが重要です。Google Vaultや外部のクラウドストレージなど契約して活用すると、より安全にデータを管理できます。
2.退職手続きの標準化
退職時のデータ管理をスムーズに行うために、以下のようなプロセスを標準化しましょう。
- 退職前にGoogle Takeoutで個人用データのエクスポートを推奨
- 退職者のGWSアカウントのデータを管理者がバックアップ
- 念のため外部のクラウドストレージや社内サーバへデータを保存
- 必要に応じて、後任者へのデータ引き継ぎを実施
データ保存のためのクラウドサービスをお探しならCWJへご相談を

退職者のGoogle Workspaceアカウントのデータを適切に保存するためには、有料サービスの活用が必須です。
保存容量が大きく、セキュリティにも配慮されたサービスの契約をご検討ください。
株式会社サイバーウェイブジャパン(CWJ)では、各クラウドサービスを企業のお悩み解決のためにご提供しています。
データ保存に便利な「大容量クラウドストレージ」や、添付ファイルも含めて「メールのバックアップ」を行うサービスなど、さまざまなサービスを業務内容に応じてご提案していますので、気軽にご相談ください。
社員の退職時の手間を削減するために、日頃から適切なデータ管理を実施し、退職時のリスクを最小限に抑えましょう。

この記事のポイント
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1.退職者がでたときにGoogleアカウントをすぐに削除してもいいの?
退職者が出たときは、できれば退職前にGoogleアカウントのデータを保存することをおすすめします。
Googleアカウントで利用できる「Google Workspace」のデータには、重要なデータが含まれているため、安易に削除しないように注意が必要です。保存されているデータの例
- Gmail: 業務連絡や取引先とのやり取り
- Google Drive: 文書、スプレッドシート、プレゼン資料、画像、動画ファイル
- Google カレンダー: 会議の予定やプロジェクトのスケジュール
- Google Chat: 社内コミュニケーションの履歴
- Google Keep: メモやタスク管理情報
- Google Meet: 過去の会議記録(録画データ)
詳しくは「退職者がでたらGoogle Workspaceのデータを保存する理由」をご覧ください。
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2.Google Workspaceのデータを保存するには?
Googleの公式ツールを利用することができます。
保存方法の例
- Google Takeoutを使用する
- Google Vaultを活用する
- 管理者によるデータ移行(Google管理コンソール)
このほかに、外部のクラウドストレージや社内サーバなどに定期的にデータを移しておくことも有効です。
詳しくは「Google Workspaceのデータを保存(アーカイブ)する方法」をご覧ください。
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3.Googleアカウントを保存する前に消してしまったら復元できる?
通常、削除後20日以内であれば、Google管理コンソールからアカウントを復元できます。
保存方法の例
- Google管理コンソールから復元
- Google Vaultでデータを取得
- バックアップデータの活用
基本的に、公式ツールで復元できますが、日頃から、外部クラウドストレージや社内サーバなどにバックアップを取っていた場合は、保存していた分のGoogleアカウントのデータを取得することができます。
詳しくは「保存前にGoogleアカウントを消してしまった場合の対処法」をご覧ください。
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