【2025年】 マルウェアのトレンドと効果的な対策は?進化する脅威にどう備えるか

2025年に入り、マルウェアの脅威はますます巧妙化し、企業や個人のセキュリティ対策がこれまで以上に重要になっています。従来のウイルスやトロイの木馬に加え、AIを活用した攻撃やファイルレスマルウェアが急増し、既存のセキュリティ対策では十分に防ぎきれないケースが増えています。
この記事では、2025年に対策したいマルウェアのトレンドとその対策方法について詳しく解説します。
※2025年4月現在の情報です
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2025年1月発表の「情報セキュリティ10大脅威」
2024年に発生した情報セキュリティに関する被害から、特に影響が大きい攻撃は以下の通りです。
順位 | 組織」向け脅威 | 初選出年 | 10大脅威での取り扱い (2016年以降) |
---|---|---|---|
1 | ランサム攻撃による被害 | 2016年 | 10年連続10回目 |
2 | サプライチェーンや委託先を狙った攻撃 | 2019年 | 7年連続7回目 |
3 | システムの脆弱性を突いた攻撃 | 2016年 | 5年連続8回目 |
4 | 内部不正による情報漏えい等 | 2016年 | 10年連続10回目 |
5 | 機密情報等を狙った標的型攻撃 | 2016年 | 10年連続10回目 |
6 | リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃 | 2021年 | 5年連続5回目 |
7 | 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃 | 2025年 | 初選出 |
8 | 分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃) | 2016年 | 5年ぶり6回目 |
9 | ビジネスメール詐欺 | 2018年 | 8年連続8回目 |
10 | 不注意による情報漏えい等 | 2016年 | 7年連続8回目 |
情報処理推進機構は、2004年に設立された経済産業省所管の独立行政法人で、デジタル社会の動向調査・分析・基盤構築を行っている機関です。
1位のランサムウェアによる被害は、パソコンやスマートフォンに保存されているデータを暗号化した上で、情報を盗難されたり、身代金を請求されたりと、うっかりミスから大きな被害を被る可能性があります。
ランサムウェアは悪意があるリンクのクリックやUSBメモリから感染することが多く、メールに添付されたURLを無効化することも対策の一つです。
情報セキュリティに関する脅威はさまざまですが、少なくとも上位10項目の脅威に対しては対策されることをおすすめします。
マルウェアの進化とトレンド

インターネットの発展とともに、サイバー攻撃の手口も巧妙化しています。従来のマルウェアはウイルスやワーム、トロイの木馬といった比較的単純なものが主流でした。
近年ではAIを活用した高度なマルウェアや、検知を回避するファイルレスマルウェアが登場しています。
トレンドを知って、新たな脅威にも対応していきましょう。
AIを活用した高度なマルウェア
マルウェアはAI技術を活用し、攻撃手法がさらに巧妙化しています。攻撃者は機械学習を使用してセキュリティソフトの挙動を解析し、リアルタイムで回避策を更新するマルウェアを開発しています。
これにより、従来の防御策が追いつかなくなる可能性もあります。防御体制を強化し、セキュリティ意識の向上が求められます。
サプライチェーン攻撃とマルウェアの関係
サプライチェーン攻撃は、企業のソフトウェアやハードウェアの開発・供給過程を狙うサイバー攻撃です。この手法では、攻撃者がシステムの脆弱性を突いてマルウェアを仕込み、ターゲットのシステムに拡散させます。
近年みられる、特に注意すべき手口は、正規のソフトウェアアップデートに「マルウェアを混ぜて配信する手法」です。ユーザーがアップデートを適用することで、知らずにマルウェアに感染してしまうケースが増えています。
このような攻撃を防ぐため、システム管理者は最新情報を常にチェックし、社内にアップデートの適用を促す必要があります。
ファイルレスマルウェアの台頭
ファイルレスマルウェアは、従来のウイルスのように特定のファイルを持たず、メモリ上でコードが実行されるため、ディスク上には「悪意のあるファイル」が存在しません。
これにより、ディスク上のファイルをスキャンする、従来のアンチウイルスソフトでは検出が難しく、高度なセキュリティ対策であるEDR(エンドポイント検知・対応)の導入が求められます。
近年のマルウェア攻撃事例

近年、マルウェア攻撃はさらに巧妙化し、企業や個人に甚大な被害をもたらしています。実際にどのような被害が発生しているのでしょうか。
本章では、最新のマルウェア攻撃事例を紹介し、その手口や影響について詳しく解説します。
医療機関や政府機関、大手企業を狙った事例
ランサムウェア攻撃や標的型攻撃は、特定業界を狙う傾向が強まっています。特に医療機関や政府機関が標的となり、機密情報の流出や業務停止が相次ぎました。
また、大手企業も狙われ、個人情報の流出やシステムの停止が発生しています。これらのターゲットに共通しているのは、機密性の高い情報を扱っている点です。
攻撃者にとって、「狙う価値のあるターゲット」となっています。該当する企業では、セキュリティ対策のさらなる強化が不可欠です。
企業が受けた損害と影響
大手企業では、サプライチェーン攻撃による被害が甚大です。近年発生したシステム侵害事件では、顧客データの流出や取引停止が発生し、数十億円規模の損害が生じました。
顧客情報の流出による損害賠償や信頼性の低下などから、追加的な経済的損失も発生しています。
これらの影響は、関連企業にも波及するため、企業全体でのセキュリティ対策強化が重要です。
【必要な対策】
- 多層防御(Defense in Depth)
- ゼロトラストセキュリティの導入
- 脅威インテリジェンスに基づいた早期警戒システムの構築
- サプライチェーン管理における強化
企業が取るべき対策

マルウェアの脅威を防ぐために、標的型攻撃やフィッシング詐欺が巧妙化し、従来のセキュリティ対策だけでは十分に防ぎきれないケースも増えています。そのため、時代に合わせて対策を変えていかなければなりません。
本章では、AIを活用した脅威検出技術や、ゼロトラストセキュリティ、多層防御の重要性について詳しく解説し、安全を確保するための具体的な手法を紹介します。
AIによる脅威の検出技術
マルウェア対策にはスピード感がある対策も重要です。AIを取り入れてログやイベントを解析し、脅威の検出や対処を行うことが注目されています。
従来のシグネチャベースのアンチウイルスソフトは、ソフトの更新がなければ新しい手口に対応できないこともあります。機械学習を利用して未知のマルウェアを特定し、リアルタイムで対策を講じる手法も検討しましょう。
多層防御(ゼロトラスト、EDR、MFAなど)
「ゼロトラストセキュリティ」とは、「ネットワーク内部・外部を問わず、すべてのアクセスを疑う」という考え方に基づくセキュリティモデルです。
ゼロトラストセキュリティの考えの元、EDR(エンドポイント検知・対応)や、MFA(多要素認証)など、複数のセキュリティ対策を組み合わせる強固なセキュリティ対策を「多層防御」といいます。
多層防御を適切に行うためには、セキュリティ機器のアップデートや正常な状態での運用、ログの解析などが必要です。機器の管理や人材の確保なしでは実現できませんので、外部のセキュリティサービスの利用をおすすめします。
セキュリティ教育と従業員の意識向上
セキュリティシステムを導入しても、ヒューマンエラーからのマルウェアの侵入を完全に防ぐことはできません。そのため、従業員のメールやインターネット利用、情報管理などに関するセキュリティ意識を向上させる教育が重要です。
実際の攻撃事例を用いた訓練や定期的なフィッシング対策シミュレーションを実施することで、ヒューマンエラーによるマルウェアの侵入リスクを軽減できます。
今後のマルウェア対策の展望

マルウェアの手法が進化し続ける中、セキュリティ対策もまた変化を求められています。トレンドに敏感になり、常に新しい情報を得ていくことが大切です。
現在もすでに取り組まれていますが、政府の法整備の強化や、新しいテクノロジーの導入により、より高度な防御策が必要とされています。
特に、量子暗号やAIを活用した次世代セキュリティ技術が注目されており、今後のサイバーセキュリティ対策の方向性を左右する重要な要素となると予測します。
法整備とセキュリティの強化
現在、日本では「日本の重要なインフラ」に対する攻撃を防ぐために、サイバーセキュリティ強化に向けた法改正が進行中です。
特に「能動的サイバー防御」の導入が検討されており、電気通信事業法や不正アクセス禁止法、個人情報保護法などの改正が予定されています。各企業は改正内容によっては、新たなセキュリティ対策を講じなければなりません。
また、2024年6月には改正地方自治法が成立し、地方自治体のセキュリティ強化が義務化されました。EUでは「サイバー・レジリエンス法」が策定され、企業のセキュリティ対策義務が厳格化されています。
このように、各国、各所でサイバー攻撃に対する法律が作られ、時代に応じてアップデートされています。
次世代のセキュリティ技術の動向
将来的には、データの改ざんを困難にするブロックチェーン技術を活用したデータ保護や、量子暗号技術を用いたセキュリティ対策が普及すると考えられます。
特に、量子力学の法則を利用した量子暗号は解読されるリスクが少なく、超長期的に情報を保護できるとされ、既存の暗号方式を超える安全性を確保する可能性を秘めています。今後の動向に注目しましょう。
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株式会社サイバーウェイブジャパン(CWJ)では、日々進化するマルウェアや不正アクセスから端末を守るため、添付ファイルの無害化やサンドボックスなどの多層的なセキュリティ対策をご提案しています。
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【おすすめのサービス】
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この記事のポイント
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1.2025年に注意したいマルウェアは?
2025年に特に従来通りのランサムウェアの被害や標的型攻撃メールなどに警戒しつつ、最新の手口にも対応していく必要があります。
- AIを活用した高度なマルウェア
- ファイルレスマルウェア など
詳しくは「2025年1月発表の「情報セキュリティ10大脅威」」をご覧ください。
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2.最新のマルウェアに対応するために企業が取るべき対策は?
- AIによる脅威検出技術
- 多層防御(ゼロトラスト、EDR、MFAなど)
- セキュリティ教育と従業員の意識向上
詳しくは「企業が取るべき対策」をご覧ください。
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